7.栽培上の注意点8.今後の課題写真1 散布の様子図8 着果率5がる時期まで放置してしまうと、直射光がハウスに入りにくくなりハウス温度が上がりにくくなります。日射量が落ちてくる10月に入るまでには洗浄する必要があります。 そのためには専用の洗浄材「Removit(リムービット)」を散布することになります。Qヒートを塗布するときと同じように動噴で散布作業を行います。散布する場合、散布面がしっかり乾いた状態で吹き付けられるように晴天時に作業をすることが重要です。また、この資材の効果は1週間程度といわれており、散布後1週間の間に降雨がしっかりあればきれいに洗い流すことができるようです。しかし、雨がなさそうな場合には水を散布することが必要になってしまいます。 このようにQヒートの処理のために2回の散布作業が必要になり、また手作業では塗布ムラもあることから、現在ではドローンによる作業なども開発されてきています。作業委託などもあるようですが、まだまだ業者が少ないことや価格が気になるところです。 今回の試験は、4ハウスで塗布試験を行ないましたが実際には塗布ムラが散見され、その効果が若干バラついていました。やはり塗布ムラのあるハウスは均一なハウスより効果が少し落ちる傾向がみられました。均一な塗布作業が重要になります。 また、栽培マネージャ間の反省会の中で、光透過率が少なくなったが給液をあまり下げないほうが良かったという点が明らかになりました。これは、処理したハウスは太陽光が直接入らず乱反射することでぼやけて見えるので光透過率も下がっているように感じますが、Qヒートは光合成に有効な波長の光は比較的多く透過していますし、乱反射により下葉にまで光が到達しやすいので、光が弱くなったように感じても実際に葉にあたる光合成に有効な光は思っている以上にあったということになります。 実際の日射データをみると日射量は少なくなっていましたので、水を少なくしてしまいがちですが、トマトはしっかり光合成をしており水を欲しがっていたということに注意した方がよさそうです。 今回の試験により遮熱材Qヒート処理で一定の効果が確認できましたので、今後は高温になる時期に使用していきたいと考えていますが、いくつかの課題を指摘したいと思います。 まず一点目は、遮熱材塗布の均一処理です。高所で足元も不安定な場所での人による作業のため全部を均一にすることはかなり難しいし、風の影響もかなり多いようです。風が強いなど天気が不安定な日には作業は極力やらないほうが良いと思います。(写真1) 二点目は、Qヒートは洗浄することが必要なことです。塗布により資材が被覆された状態にありますが、普通の雨などでは簡単に落ちないため、このまま温度が下
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